『かがみの孤城』を読んで

すでに多くの方が読まれ、本屋大賞といった賞も受賞した作品ですが、幾つかの経緯があって、しばらく前から読み始め、最近読み終わりました。

 

ほんとうに素晴らしい小説で、是非まだ読まれてない方には、読んでいただきたいと思い、ご紹介させていただく事にしました。

 

以上です。。。

というか、これでブログを終わってもいいかもしれない‥とも考えます。

 

というのも、小説の紹介って、私には難しすぎるんです。下手に内容を書けばネタバレになる。といって、僕が小説を読んでいく中で感じた、気持ちや感情を言葉にしようとすると、当然ながら、それらすべてを言葉にはできないので、なんかピントがずれたものになるんです。

 

ただ、上記だけだと、あまりにも紹介としては短すぎると思うので、ごく簡単にですが、小説を読んで感じた事などを書く事にします。当たり前ですが、私「個人」の感想です。

 

①この小説を読むと、“あ~中学生の頃ってこんな感じだったな~”、という「感じ」が凄くよみがえってきます。作者の、辻村さんのこのあたりの、スケッチというか、表現の的確さに驚きます。「なんで、そんなに昔のこと、覚えているの」といった素朴な疑問もわきますね。

 

②この小説は、何からの事情や背景を抱え、学校へ行けなくなった中学生達が主な主人公です。ただ、主人公が中学生であっても、また、いわゆる「不登校」の経験の有無とは関係なしに、この小説は面白いし、大人にも充分に読む価値があると思います。というか、むしろ「大人」が読むといいのかもしれない‥とも思います。

 

③小説を読んでいる時は、何度も胸が熱くなったり、怖くなったり、ビクビクしたり…とにかく色々な感情を体験しました。いわゆる、単純な「感動もの」とは違う、広がりと奥行きをもった作品だと思います。

 

最後に‥これは、当オフィスのカウンセリングとも関係する事ですが、、、

 

「人」が、軽くない心の傷から回復したり、何らかの強い悩みが回復していくには、完璧とは言わないまでも、基本的に安心できる「場所・居場所」だったり、そこで、それなりに安心できる「他者」と出会ったり、誰かと時間を共有したり、時に何かを話したり‥‥そういった営みが大事なんだな~。。

 

と、改めて強く思いました。当カウンセリンオフィスができる事は限られておりますが、それでも来室なさった方が、「安心して」「色々な話し、やり取りができる場」、になっていくといいな~と思ったしだいです。是非、お読みください!

 

かがみの孤城』辻村 深月 ポプラ社

 

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