· 

「心を胃袋に例えると‥」

たまに私は、カウンセリングの中で、「心を胃袋に例えると‥」といった話をします。一つの例え話です。こんな感じです。

 

「例えば、ものすごい大量の脂っこい肉を食べたとします。そうすると、胃が強くもたれますよね。で、その肉がいつまでも消化されずに胃に残っていると、便秘や下痢や場合によっては嘔吐などを引き起こしかねないですよね。そうなると、その人は、市販の薬を飲んだり、病院で胃薬をもらったりします。

 

つまり、胃袋のなかに大きな未消化物があると、色々と悪さをするわけです。心にも、時に同じようなことが生じえます。様々な出来事の積み重ねや、何らかの負荷のかかる大きな体験によって、しんどさ・つらさ・怒り・悲しみ等が、消化しきれないぐらい大きくなったり、ごちゃ混ぜになったりすると、寝られなくなったり、精神的な病気にかかったり、対人関係でしんどくなったり、様々な体調面に現れたり‥。

 

胃に大きな未消化物があって、胃腸の調子が悪い時に、胃薬を飲んで胃腸の働きを整えるのと同じように、心の未消化物を少しでも消化しやすくなるための、一つの手段がカウンセリングです。

 

カウンセリングでは、一体何がしんどいのか、つらいのか、生きづらいのか‥その由来はどういったところからきているのか‥どうすれば、そういったしんどさが少しでも楽になるのか‥等を考えていきます。そういった積み重ねが上手くいけば、心のしんどさが多少なりとも楽になったり、日常生活や生き方に変化が生じたり‥つまり、心にあった大きな未消化物が消化されていきます

 

心にある大きな未消化物。それは時に、当人も気づかないうちに心に作りだされ、様々な強い悩みや困難を引き起こします。その消化を助ける一つの触媒として、カウンセリングは有効な選択肢の一つだと思います。